実習十日目

2001年6月14日 教育実習
始まりがあれば当然終わりもあります。
今日は私が受け持つ最後の授業です。

授業案は数日前から試行錯誤の繰り返し。
でもまったく上手くいきません。
いいかげんイライラが頂点に達してきました。

・・・
・・・

・・・(プチッ)

「え〜い! いっそのこと破棄しちゃえ!」

ということで破棄しました(^^;
本当は高校生らしい授業をやるべきなんでしょうが。
やりたいことやらせてもらうことに決定!!!

―――そもそもうちの高校に根本的な問題があります。

うちの高校は某大学の付属校。
大学には100%進学できるので、授業は受験知識など一切やりません。
ほとんど大学の講義と同じ内容&テストはすべて論述問題。
私の現役のときの日本史は、一年間かけて邪馬台国の所在を論議してました。
先生も生徒も好き勝手やっている感じです。

そのため実習も少し特殊です。
まず研究授業がありません(爆)
登校時間も終業時間も決まっていません。(まあ、実際は決まっていますが、守っている実習生はいませんし咎める教師もいません)
授業案に関しても

「あってもいいし、なくいてもいいよ」

といわれる始末。
ちょっといい加減すぎますよね(−−;
でも、今まではコツコツ授業案作っていました。
授業内容も教科書に沿って高校生らしくやっていました。
でも、最後くらいは好き勝手にやってしまえと(笑)

―――結果、

先日よりさらに激しい授業をやってしまいました(爆)

入って20分、予定の内容を50%増しの速度で終了。
板書のスピードは今までの3倍くらいだったでしょう(笑)
とりあえず薩長同盟から戊辰戦争までを終わらせます。
それからおもむろに土方歳三の顔写真を取り出しました。

『これから武士道について語るから』

はい、暴走しました。

そこからの内容は完全に講義形式でした。
新撰組結成の経緯から戊辰戦争で敗れるまで、
彼が勝てるはずのない戦いに殉じていったのはなぜか?
潰れ逝く幕府と心中したのはなぜか?
それは徳川300年の歴史で培われてきた武士の魂ゆえ。

「主君を守り、そして潔く死ぬ。」

ただそれだけを美学として最後まで戦った男たちの生き様がありました。
もともとは農民の出自であった土方歳三。
しかし彼は新撰組を結成し、幕府に武士として取り立てられます。
土方は、幕府が滅亡に瀕したとき、
その恩を忘れず戦場がなくなるまで戦い続けます。
そして、北の大地、函館五稜郭で戦場が尽きる寸前、
彼は戦場で一発の銃弾の前に散ることとなります。
以下は最後に引用した、NHK歴史番組でキャスターが言っていた台詞です。

「彼の生き様は時代の流れにあえて逆らうことでした。
 しかし、彼の生き方には現代人が忘れてしまった何かを
 語りかけてくるものがあるのではないでしょうか?」

こんな内容でした。
熱く熱く語らせてもらいました。
自分でも何言っていたかよく覚えていません(^^;
ただ、終わった後に生徒から

「こんな歴史の授業が聞きたかった。」
「もっと授業やって」

といわれたのが泣きそうに嬉しかった。
できることならもっと授業をやっていたかった。

こんな気持ちになれたことが最高の収穫だと思います。
残りの実習期間は2日間。
つつがなくほかの人の授業を見ながら過ごしたいと思います。

興奮冷めやらぬ状態なので変な文章になってるかな(^^;

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