表題の映画、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ヒロシマの原爆投下のドキュメント映画です。
この監督がテレビ番組で語っているのを見ました。

自衛隊の海外派遣や憲法改正の動きなど
日本を取り巻く状況は、大きく変化しています。
10年前は議論されなかったことが、今は現実として存在します。

戦後50年を迎える以前に平和教育を受けてきた世代としては
「最近の日本が第二次世界大戦を本気で受け止めてきていない」
という監督の言葉に対して、何も言い返せないと思いました。

平和運動の是非、国際貢献の是非を論じたいわけではありません。
ただ、戦争の体験を、つなぎとめておくのは難しい。
歴史の問題として、真剣に取り組み続けることはなおさらです。

今後、20年以上経った未来を考えた時に
第二次世界大戦を語りつぐ歴史の営みは
恐らく滑稽とも言える域に達していると思います。

語り得た世代がいなくなり、
過去を受け止めなくても、豊かさを享受する生活がある。
それを恐ろしく思っても、失われた時は戻ってこない。

恐ろしいのは、緩慢に麻痺していくこと。
体験することの痛みすら取り返せなくなることです。
「知っていること」と、「実感すること」は違うのに。

日本人は、知識部分に走りすぎているのかもしれません。
与えられた創造力ではなく、事実をつなぎとめる歴史によって
次の世代にどれだけの記憶が伝わるのでしょうか。

戦争の是非ではなく、そういう記憶を記した映画だとしたら
この映画はそれなりの価値があると思いました。

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